2010年 01月 08日
怖かった童話 |
昨日のブログにいただいたnabetsumaさんとHALさんのコメントをきっかけに、子供の頃に読んで怖かった童話をいろいろ思い出した。
日本のものでいちばん怖かったのは「はちかつぎ姫」。講談社の絵本で、きれいな日本画風の絵だったと思うが、何も悪いことをしていないのに巨大なお椀のような鉢が頭から取れないという姫の境遇が怖かった。
アンデルセン原作の「白鳥の王子」もやはり講談社の絵本だったと思う。暗緑色のイラクサのセーター(?)を白鳥たちに着せるシーンが特に印象に残っている。絵本を開くのも怖くてイヤだった。
絵本ではないアンデルセンの童話集は字の細かい2段組みの本で、はじめは母に読んでもらった。
「赤い靴」は怖くて吐き気がするほどで、「パンを踏んだ娘」も眠れなくなるようないやな話だった。
グリムやペローの童話にも暗くてグロテスクなものがなくはないが、それらはおとぎ話の世界のものと割り切ることができ、恐怖感はおぼえなかった。
でも、ある程度大きくなってまた読みたくなったのはアンデルセンの童話だった気がする。
「パンを踏んだ娘」はその後、それを漫画化した萩尾望都の「白い鳥になった少女」を読んで、とても感銘を受けた。「赤い靴」は今でも怖い。
漫画といえば、通っていた小学校の女子のあいだで少女フレンドに連載された梅図かずおの恐怖マンガが流行ったことがあったが、なぜかそれは全然怖くなかった。
そのころ私が怖かったのは「理科のふしぎ」という本だった。今考えると、たぶん児童向けの科学読本のようなものだったのだろうが、そのわりに出来がよくなかった。
手相や占いなどは迷信でナンセンスであるという事例に「昭和20年8月、広島の街角で占い師に長生きすると言われた人がいました。でもその翌日、その人も占い師も原爆で死んでしまったのです」というようなことが書かれていた。
そして、手相は手を動かすことによって変わるので当てにならない例として「ある人がピアノを沢山練習しました。すると手のひらに今までになかった音楽記号の♯のようなシワがたくさんできたのです」というくだりがあって、かえってそれが私を心底こわがらせたのだった。
by min_y
| 2010-01-08 10:01
| 本
|
Comments(12)
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yocchi0220 at 2010-01-08 11:13
うわぁ・・・新春怖い話初めであります。
パンを・・・とかはインゲルなる娘の非道ぶりで、その末路に納得がいくの
ですが、赤い・・・は、そこまでの仕打ち・・・かと。どちらも「永遠」に落ちて
いく様が物凄く怖いです。終わり方が生々しいというかね。子供向きに作
った話ではなかったのかなぁ。私は昔親が「東京こどもくらぶ」なるものを
定期購入してくれて、それに「ソノシート」がついて、絵本のお話を読んで
くれるのですが、「七匹のこヤギ」で狼が出てくる効果音ですでにちびり
そうになるほどおびえておりました。
残酷という話では、浦島太郎が納得できないのであります。
でも「ボンッ」ってお爺さんになってしまうのは、「痛み」がないだけいいのかなぁ・・・そういえば、去年マコトちゃんハウスのカットを描くという仕事が
あったと今思い出しました。
パンを・・・とかはインゲルなる娘の非道ぶりで、その末路に納得がいくの
ですが、赤い・・・は、そこまでの仕打ち・・・かと。どちらも「永遠」に落ちて
いく様が物凄く怖いです。終わり方が生々しいというかね。子供向きに作
った話ではなかったのかなぁ。私は昔親が「東京こどもくらぶ」なるものを
定期購入してくれて、それに「ソノシート」がついて、絵本のお話を読んで
くれるのですが、「七匹のこヤギ」で狼が出てくる効果音ですでにちびり
そうになるほどおびえておりました。
残酷という話では、浦島太郎が納得できないのであります。
でも「ボンッ」ってお爺さんになってしまうのは、「痛み」がないだけいいのかなぁ・・・そういえば、去年マコトちゃんハウスのカットを描くという仕事が
あったと今思い出しました。
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konnitiwan at 2010-01-08 19:55
よっちさんが言われるように新春怖い話初めに納得
考えてみると怖い結末の方が多いような・・・因果応報の世界なんでしょうね。
子供の頃、近所のオバサンが童話とも違うオバサンが生まれた地方の伝説というか民話を話してくれたのですが、怖くて怖くて死の恐怖を子供心に知った次第であります。
考えてみると怖い結末の方が多いような・・・因果応報の世界なんでしょうね。
子供の頃、近所のオバサンが童話とも違うオバサンが生まれた地方の伝説というか民話を話してくれたのですが、怖くて怖くて死の恐怖を子供心に知った次第であります。
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min_y at 2010-01-08 20:51
yocchiさん
新春とはいえ、真冬に怖い話はますます寒くなりそうですね。
昔の童話って悪いことすると悲惨な最期が待ち受けてるぞっていう、教訓的なものが多かったですね。
「7匹のこやぎ」のソノシートを聴いておびえていた幼かりし頃のよっちさんを想像して笑っちゃいました。
新春とはいえ、真冬に怖い話はますます寒くなりそうですね。
昔の童話って悪いことすると悲惨な最期が待ち受けてるぞっていう、教訓的なものが多かったですね。
「7匹のこやぎ」のソノシートを聴いておびえていた幼かりし頃のよっちさんを想像して笑っちゃいました。
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min_y at 2010-01-08 21:02
konnitiwanさん
やっぱり古いお話は教訓的で因果応報ストーリーが多いんですよね。
原因がちゃんとわかるからたとえ怪談でも安心できるんでしょうね。
得体の知れない恐怖がいちばん怖いです。
ところで、がざねさんのお聞きになったその近所のオバサンのお話、すごく興味あります~
やっぱり古いお話は教訓的で因果応報ストーリーが多いんですよね。
原因がちゃんとわかるからたとえ怪談でも安心できるんでしょうね。
得体の知れない恐怖がいちばん怖いです。
ところで、がざねさんのお聞きになったその近所のオバサンのお話、すごく興味あります~
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nobukoueda at 2010-01-08 23:14
グリムとか、アンゼルセンは結構怖いものや残酷な話も多いよね。
でも近ごろはあまり子供にこの手の昔話はよんであげないみたいらしい。
「マッチ売りの少女」もよんだこと無い子がおおいのにビックリ・・・
下の和ろうそくいいね。私もいくつか持っているけど中々キャンドル生活できない^^;
でも近ごろはあまり子供にこの手の昔話はよんであげないみたいらしい。
「マッチ売りの少女」もよんだこと無い子がおおいのにビックリ・・・
下の和ろうそくいいね。私もいくつか持っているけど中々キャンドル生活できない^^;
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HALさん
at 2010-01-09 06:45
x
グリム童話の方が、怖かったですよ。
因果応報だったから~(笑)
日本の民話って、最後で納得が行かない!!
いい事してるのに、なんでこうなるんだっ?!
あれが、どうしようもなく悲しかったのかもしれないww
死んじゃったお母さんが赤ちゃんの為に、飴を買いに行く・・・なんて母性だって思った!!
梅図先生のは、日常密着が・・・怖かったわ。
白いご飯がうじ虫に見えちゃうとか、そんなとこ(泣)
因果応報だったから~(笑)
日本の民話って、最後で納得が行かない!!
いい事してるのに、なんでこうなるんだっ?!
あれが、どうしようもなく悲しかったのかもしれないww
死んじゃったお母さんが赤ちゃんの為に、飴を買いに行く・・・なんて母性だって思った!!
梅図先生のは、日常密着が・・・怖かったわ。
白いご飯がうじ虫に見えちゃうとか、そんなとこ(泣)
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nabetsuma at 2010-01-09 21:14
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min_y at 2010-01-10 11:35
nobukouedaさん
やはりこの頃の子供は昔の童話あまり知らないのね。
ディズニーのアニメになってる白雪姫とかシンデレラとかは知ってるでしょうけど。
本を読む子でも、絵本や児童文学のいいものがどんどん出てきてますものね。
今日のNHKハイビジョンの「猫のしっぽ・・・」は、ベネシアさんの和ろうそく作りだそうで楽しみです。
やはりこの頃の子供は昔の童話あまり知らないのね。
ディズニーのアニメになってる白雪姫とかシンデレラとかは知ってるでしょうけど。
本を読む子でも、絵本や児童文学のいいものがどんどん出てきてますものね。
今日のNHKハイビジョンの「猫のしっぽ・・・」は、ベネシアさんの和ろうそく作りだそうで楽しみです。
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min_y at 2010-01-10 11:42
HALさん
因果応報がコワイってのは何か悪いことでもしていたとか?(笑)
日本の民話、怖いのや悲しいのはあまり読まなかったなぁ。
日本のお話は、きっちょむさんとか、一休さんのトンチ話とか、笑えるものが好きでした(笑)。
梅図かずおの漫画、インクが手にべっとりつきそうな感じで好きじゃなかったの。
白いご飯がうじ虫に見えちゃうってのはキツいですね〜
因果応報がコワイってのは何か悪いことでもしていたとか?(笑)
日本の民話、怖いのや悲しいのはあまり読まなかったなぁ。
日本のお話は、きっちょむさんとか、一休さんのトンチ話とか、笑えるものが好きでした(笑)。
梅図かずおの漫画、インクが手にべっとりつきそうな感じで好きじゃなかったの。
白いご飯がうじ虫に見えちゃうってのはキツいですね〜
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min_y at 2010-01-10 11:44
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imamuru_39 at 2010-01-13 10:13
そのうち書き込みさせていただこうと思ってたら今になってしまいました。
「パンを踏んだ娘」、小学生の頃私も読みました。当時読んだ中では読後感の悪さNO.1でした。結末をいまひとつ覚えていないのですが、その娘が日頃やってた悪行とか、沼の底の魔女(でしたかね?)の鍋の中身の挿絵とかだけは鮮明に記憶してます。漫画化されていたとは知りませんでした。
「パンを踏んだ娘」、小学生の頃私も読みました。当時読んだ中では読後感の悪さNO.1でした。結末をいまひとつ覚えていないのですが、その娘が日頃やってた悪行とか、沼の底の魔女(でしたかね?)の鍋の中身の挿絵とかだけは鮮明に記憶してます。漫画化されていたとは知りませんでした。
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min_y at 2010-01-13 23:15
imamuruさん
「パンを踏んだ娘」やっぱり子供には難しいお話なんですね。
沼の底に沈んだその後の展開(ウィキなどでごらんください)が素晴らしいお話なのに、私も子供の頃に読んだ記憶は、地獄のような沼の底から永遠に抜け出せないというところで終わっていました。その場面の印象があまりにも強烈なんですよね。
萩尾望都の漫画を読んだのは高校生くらいになってからで、ようやくこの話の美しさを知りました。
萩尾望都の初期の短編集のどれかに入っていると思います。
「パンを踏んだ娘」やっぱり子供には難しいお話なんですね。
沼の底に沈んだその後の展開(ウィキなどでごらんください)が素晴らしいお話なのに、私も子供の頃に読んだ記憶は、地獄のような沼の底から永遠に抜け出せないというところで終わっていました。その場面の印象があまりにも強烈なんですよね。
萩尾望都の漫画を読んだのは高校生くらいになってからで、ようやくこの話の美しさを知りました。
萩尾望都の初期の短編集のどれかに入っていると思います。