2011年 02月 04日
ジョゼフ・コーネルの伝記 |
いわゆる伝記本といえば子供の頃に読んだ「キュリー夫人」や「野口英世」などの立身出世話をイメージするため、めったに読む事はないが、いろいろな人物がどういう子供時代を過ごしたか、普段の生活はどんなふうで、晩年はどうだったか、などには非常に興味をそそられる。
そして、特にその人物が好きな作家やアーティストならなおのことだ。
数日前に書店で見つけた「ジョゼフ・コーネル 箱の中のユートピア」(デボラ・ソロモン著 林寿美、太田泰人、近藤学、訳 白水社)は、コーネル好きとしては絶対に読んでおきたいと思った。
しかし、4〜5センチはあろうかと思われる分厚さ。電車で読むため持ち歩くには重過ぎるので、家で少しずつ読みはじめている。
まだ、彼がセールスマンをしながらマンハッタンの街中を散策しているあたりまでしか到達していないが、今までイメージしていたコーネル像とたがわず、内気で夢見がちな人物だ。この先、どういうきっかけで箱を作りはじめたのか・・・
はやく続きを読みたいので、ここらでパソコンは閉じます(笑)。
<追記>
17日、ようやく読了。コーネルファンとしてはなかなか面白かった。
コーネルとはどんな人物であったか。
ひとことでは言い尽くせないが、まず、真面目で神経質で内向的なロマンティスト。クリスチャンサイエンスという新興宗教の信者でもある。甘い食べ物ばかり食べている。過去のバレリーナや美しい映画女優に憧れ、街で見かける少女たちに恋をする。いつも片想いでただ見つめて妄想するだけの恋であるが。障害のある弟を心から愛していて、自分を束縛する母親を大切にする一方で束縛から逃れたいとも願う。こまめに手紙や日記を書き続けている。謙虚で、自己顕示欲はほとんどなさそうで、しかし頑固で強い美意識を持ち、「内気な隠遁者」などというように自分の人となりを他人に決めつけられるのを極端に嫌っていたらしい。
そんな彼が伝記で自分の性生活まで赤裸々に語られていることを知ったら、そしてこんなブログに伝記の感想など書かれていると知ったら、烈火の如く憤るに違いない。
ところで、去年の川村記念美術館でのコーネル展、雰囲気は良いが作品を隅々まで見るには照明が暗すぎると思っていた。でもこの本によると、コーネルが生きていた頃の個展は、会場自体をコーネルの箱に仕立てたようなものが多かったようだ。川村記念美術館の展覧会はそのことも踏まえた上での展示だったのだろう。
by min_y
| 2011-02-04 09:53
| 本
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Comments(6)
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nobukoueda at 2011-02-07 10:12
高そうだけど、私もぜひよんでみたいです。
子どものころは結構伝記はすきでしたね。
でもちょっと分厚そうでよめるかな~
子どものころは結構伝記はすきでしたね。
でもちょっと分厚そうでよめるかな~
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min_y at 2011-02-07 11:35
nobukouedaさん
高かった(3800円)です!
図書館で借りようかとも考えたのですが、いつになるかわからないし、たぶん貸し出し期間中には読み切れないだろうと・・・(笑)。ようやく3分の1ほど読み終わりましたが、なかなか面白いです。
コーネルのような引きこもりタイプの人ってとても親近感を持ってしまいます。
高かった(3800円)です!
図書館で借りようかとも考えたのですが、いつになるかわからないし、たぶん貸し出し期間中には読み切れないだろうと・・・(笑)。ようやく3分の1ほど読み終わりましたが、なかなか面白いです。
コーネルのような引きこもりタイプの人ってとても親近感を持ってしまいます。
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撫子
at 2011-02-07 15:26
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nobukoueda at 2011-02-07 19:45
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min_y at 2011-02-07 21:58
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min_y at 2011-02-07 22:00