2014年 04月 21日
新しい夢の記憶 132 |
都会の古い駅ビルのような所。駅のコンコースに続いてデパートの入口がある。
華やかな場所であるはずなのに薄暗い。アルミ製の簡易な折りたたみ式テーブルが置いてあり、多種類の絵の具のチューブが上に並べられている。エプロンをつけた若い女性が一人、そのテーブルの上で絵を描いている。何かのイベントらしい。
私は夫とともに夫の衣類を買うためデパートに入る途中で、横を通りかかり、その女性が描いている絵を覗いてみる。
まだほとんど白い画面には黄色の絵の具でところどころ古代ローマ神殿の列柱のようなものの輪郭が描かれているだけなのだが、すでに幻想的な雰囲気が感じられ、最近見たモンス・デジデリオの画集を思い出す。
「このイベントは何ですか?」と女性に話しかけてみる。女性は手を止めることなく「絵の具の実演販売なんですよ」と答える。わずかな時間に画面はどんどん埋められてゆき、絵はますます崩落しつつある神殿といった様相に近づいてゆく。
「モンス・デジデリオをご存知ですか?」と訊ねると、「いいえ、それはどういうものでしょう?」と逆に質問される。「えっと、神殿の壮麗で幻想的な・・・」と、まごついてうまく答えられない。
その時、夫が私を残して先に紳士服売場に行ってしまったことに気づき、慌てて追いかける。
売場に着くと、夫は小さなフリルがたくさんついた奇妙なデザインの麻のジャケットらしきものを身につけている。どうやら店員の勧めで買ったらしい。そもそも仕事に行かなくてはならないが家に戻って着替える時間がないため、ワイシャツとネクタイを買うはずだったのだが。この服はとても仕事に着て行けるような代物ではない。店員も「今お持ちになっているビジネスバッグはちょっとこの服にはそぐわないかと思います」などと言っている。
私はこんなものを買った夫に対しても買わせた店員に対しても腹を立てるというよりむしろ呆れ返る。
※ モンス・デジデリオは17世紀にナポリで活躍した2人(藤子不二雄のように?)の画家で、私は最近「モンス・デジデリオ画集(解説 谷川渥) 」という本を手に入れたばかり。聖書や神話を題材に世界の終末や古代都市の崩壊などのカタストロフィが幻想的に描かれている。
華やかな場所であるはずなのに薄暗い。アルミ製の簡易な折りたたみ式テーブルが置いてあり、多種類の絵の具のチューブが上に並べられている。エプロンをつけた若い女性が一人、そのテーブルの上で絵を描いている。何かのイベントらしい。
私は夫とともに夫の衣類を買うためデパートに入る途中で、横を通りかかり、その女性が描いている絵を覗いてみる。
まだほとんど白い画面には黄色の絵の具でところどころ古代ローマ神殿の列柱のようなものの輪郭が描かれているだけなのだが、すでに幻想的な雰囲気が感じられ、最近見たモンス・デジデリオの画集を思い出す。
「このイベントは何ですか?」と女性に話しかけてみる。女性は手を止めることなく「絵の具の実演販売なんですよ」と答える。わずかな時間に画面はどんどん埋められてゆき、絵はますます崩落しつつある神殿といった様相に近づいてゆく。
「モンス・デジデリオをご存知ですか?」と訊ねると、「いいえ、それはどういうものでしょう?」と逆に質問される。「えっと、神殿の壮麗で幻想的な・・・」と、まごついてうまく答えられない。
その時、夫が私を残して先に紳士服売場に行ってしまったことに気づき、慌てて追いかける。
売場に着くと、夫は小さなフリルがたくさんついた奇妙なデザインの麻のジャケットらしきものを身につけている。どうやら店員の勧めで買ったらしい。そもそも仕事に行かなくてはならないが家に戻って着替える時間がないため、ワイシャツとネクタイを買うはずだったのだが。この服はとても仕事に着て行けるような代物ではない。店員も「今お持ちになっているビジネスバッグはちょっとこの服にはそぐわないかと思います」などと言っている。
私はこんなものを買った夫に対しても買わせた店員に対しても腹を立てるというよりむしろ呆れ返る。
※ モンス・デジデリオは17世紀にナポリで活躍した2人(藤子不二雄のように?)の画家で、私は最近「モンス・デジデリオ画集(解説 谷川渥) 」という本を手に入れたばかり。聖書や神話を題材に世界の終末や古代都市の崩壊などのカタストロフィが幻想的に描かれている。
by min_y
| 2014-04-21 09:09
| 新しい夢の記憶