2006年 08月 07日
ハクビシンを見る |
犬のラスクの夜の散歩の帰り、午後8時頃のことである。家の前にある公園の西側の下り坂の道路を歩いていると、キキキキッという聞き慣れない鳴き声が聞こえた。
「何だろう」「鳥でしょ。でも何の鳥かしら」などと夫と話をしながらラスクを見ると、耳としっぽをピンと立ててリードを強く引っ張ろうとする。
進行方向右手の公園の入口に猫が1匹毛を逆立てている。「だめっ!ラスク!」と制するが、ラスクは興奮状態である。
そのはずだ、左前方の電柱の向こうにも警戒心むき出しの猫が3〜4匹固まっているのだ。
私たちがそちらに歩き進んで行くと、猫たちは私たちの方をちらちら見ながら散り始める。さっきは電柱の陰になって見えなかったがどうやら道路脇の側溝にいる1匹の猫が他の猫たちに取り囲まれていた様子だ。
その時、側溝にいた猫が道路に上がり電柱の陰から姿を現した。驚いたことに、それは猫ではなかったのだ。
猫が散らばったことで逃げ道ができたその動物は公園の横のマンションの塀に飛び乗り、立ち止まって、ちょっと振り返りこちらを丸い目で一瞥してから、ゆっくりと消えて行った。
その動物は大きめの猫ぐらいの大きさで、しっぽが太く長く、ほっそりした体全体が黒っぽい灰色をしていた。そして額から鼻にかけて白い筋が入っていた。
「あれはタヌキじゃないよ!」「アライグマでもないし」「ハクビシンって奴じゃない?」「そうだ!きっとハクビシンだ!」
夫と二人で口々に叫ぶ。正面のアパートの人が窓を開けてこちらを見ている。
家に戻り、ネットで検索すると、タヌキとアライグマとハクビシン、それぞれの特徴がわかる。やはりあれはハクビシンだった。
この前、宅配便のおじさんが見たという変な動物はタヌキじゃなくてきっとこいつだったんだ、と思う。
家の前の公園は斜面になっていて樹々が繁っているので小さな森のように見えるが、面積はこのあたりの公園として広い方ではない。だからいくらなんでも野生のタヌキがいるわけはないのだ。たぶんペットとして飼われていたハクビシンが捨てられたのだろう。私たちの姿を見てすぐに逃げだすこともなかった。
ハクビシンは樹上で生活し、果物や昆虫を食べるらしい。この公園には隠れる場所もあるし、昆虫は山ほどいるから食べ物にも困らないだろう。
ハクビシンはもともと日本に生息していた動物なのかどうかよくわからないらしい。それでも江戸時代頃からはいたようだ。ワニやカミツキガメを捨てるのとはちがうかもしれないが、それにしても一旦ペットとして飼っていたものを捨ててしまうなんて無責任にもほどがある。
ヒトにも伝染する病原菌を持っているとか、中国でのSARSの感染源だったようだとか、人家の屋根裏で繁殖して被害を与えるとか、果樹園を荒らすとか、「害獣」扱いもされている。可愛いけど、あまり評判のいい動物ではないようだ。
それでも、この公園にハクビシンが住んでいるのかもしれないと思うと、やっぱりちょっと嬉しい。
「何だろう」「鳥でしょ。でも何の鳥かしら」などと夫と話をしながらラスクを見ると、耳としっぽをピンと立ててリードを強く引っ張ろうとする。
進行方向右手の公園の入口に猫が1匹毛を逆立てている。「だめっ!ラスク!」と制するが、ラスクは興奮状態である。
そのはずだ、左前方の電柱の向こうにも警戒心むき出しの猫が3〜4匹固まっているのだ。
私たちがそちらに歩き進んで行くと、猫たちは私たちの方をちらちら見ながら散り始める。さっきは電柱の陰になって見えなかったがどうやら道路脇の側溝にいる1匹の猫が他の猫たちに取り囲まれていた様子だ。
その時、側溝にいた猫が道路に上がり電柱の陰から姿を現した。驚いたことに、それは猫ではなかったのだ。
猫が散らばったことで逃げ道ができたその動物は公園の横のマンションの塀に飛び乗り、立ち止まって、ちょっと振り返りこちらを丸い目で一瞥してから、ゆっくりと消えて行った。
その動物は大きめの猫ぐらいの大きさで、しっぽが太く長く、ほっそりした体全体が黒っぽい灰色をしていた。そして額から鼻にかけて白い筋が入っていた。
「あれはタヌキじゃないよ!」「アライグマでもないし」「ハクビシンって奴じゃない?」「そうだ!きっとハクビシンだ!」
夫と二人で口々に叫ぶ。正面のアパートの人が窓を開けてこちらを見ている。
家に戻り、ネットで検索すると、タヌキとアライグマとハクビシン、それぞれの特徴がわかる。やはりあれはハクビシンだった。
この前、宅配便のおじさんが見たという変な動物はタヌキじゃなくてきっとこいつだったんだ、と思う。
家の前の公園は斜面になっていて樹々が繁っているので小さな森のように見えるが、面積はこのあたりの公園として広い方ではない。だからいくらなんでも野生のタヌキがいるわけはないのだ。たぶんペットとして飼われていたハクビシンが捨てられたのだろう。私たちの姿を見てすぐに逃げだすこともなかった。
ハクビシンは樹上で生活し、果物や昆虫を食べるらしい。この公園には隠れる場所もあるし、昆虫は山ほどいるから食べ物にも困らないだろう。
ハクビシンはもともと日本に生息していた動物なのかどうかよくわからないらしい。それでも江戸時代頃からはいたようだ。ワニやカミツキガメを捨てるのとはちがうかもしれないが、それにしても一旦ペットとして飼っていたものを捨ててしまうなんて無責任にもほどがある。
ヒトにも伝染する病原菌を持っているとか、中国でのSARSの感染源だったようだとか、人家の屋根裏で繁殖して被害を与えるとか、果樹園を荒らすとか、「害獣」扱いもされている。可愛いけど、あまり評判のいい動物ではないようだ。
それでも、この公園にハクビシンが住んでいるのかもしれないと思うと、やっぱりちょっと嬉しい。
by min_y
| 2006-08-07 18:11
| 暮らし
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